Clásicos japoneses con furigana
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かね
鐘
小川 未明
Lee 鐘 (かね) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 2745 caracteres · 6 pantallas
「そんなはずはない、十俵いれました。」と、男は庭さきにつったって、いいました。
「八俵しか、いれてない。そんないいがかりをつけるなら、倉にはいってかぞえてみるがいい。」と、主人は、いたけだかになりました。
男は、山を五たび下って、またのぼったきおくがあります。それで倉にいって、数をかぞえてみると十いれたものが、八つしかなかった。かれの顔は、土色となりました。しかたなく、八俵の代金をふるえる手で、うけとると、おそろしい顔をして、このいかめしい門のある家をみかえって出ていきました。
男は丘の上に立って、K町を見おろしながら、
「死んでも、忘れやしねえぞ。」といった。
そのとき、少年は、かれのみすぼらしい、いかりにおののいた姿をみたのです。目の下に、林のごとく立った、えんとつからは、黒いけむりが、青い空にのぼっていました。
その後、だれの口からともなく、うわさにのぼった、金持ちが、山男の炭代をごまかしたというのをきいたとき、少年は、ある日、けっして、男は、気がくるっていたのではないのを知りました。そして、この素封家の前を通るたびに、いかめしい門をにらんだのであります。