Clásicos japoneses con furigana
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もん
門
Lee 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.830 caracteres · 278 pantallas
御米は実際そうかも知れないと思った。そうしてこう云われた後では、折々そっと六畳へ這入って、自分の顔を鏡に映して見た。その時は何だか自分の頬が見るたびに瘠けて行くような気がした。御米には自分と子供とを連想して考えるほど辛い事はなかったのである。裏の家主の宅に、小さい子供が大勢いて、それが崖の上の庭へ出て、ブランコへ乗ったり、鬼ごっこをやったりして騒ぐ声が、よく聞えると、御米はいつでも、はかないような恨めしいような心持になった。今自分の前に坐っている叔母は、たった一人の男の子を生んで、その男の子が順当に育って、立派な学士になったればこそ、叔父が死んだ今日でも、何不足のない顔をして、腮などは二重に見えるくらいに豊なのである。御母さんは肥っているから剣呑だ、気をつけないと卒中でやられるかも知れないと、安之助が始終心配するそうだけれども、御米から云わせると、心配する安之助も、心配される叔母も、共に幸福を享け合っているものとしか思われなかった。
「安さんは」と御米が聞いた。
「ええようやくね、あなた。一昨日の晩帰りましてね。それでついつい御返事も後れちまって、まことに済みませんような訳で」