Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
昨日も一日吹雪の中をあっちこっちと駈け廻って歩く中一足しかない足駄の歯を折ってしまった事やら、ズブ濡にした足袋のまだ乾いていようはずもない事なぞを考え出して、兼太郎はエエままよ今日はいっそ寝坊ついでに寝て暮らせと自暴な気にもなるのであった。もともと家屋電話の周旋屋というのは以前瓦町の店で使っていた男がやっているので、一日や二日怠けた処で昔の主人に対して小言のいえようはずもなく解雇される虞もない……。
窓の下を豆腐屋が笛を吹いて通って行った。草鞋の足音がぴちゃぴちゃと聞えるので雪解のひどい事が想像せられる。兼太郎は寝過してかえっていい事をしたとも思った。突然ドシーンとすさまじい響に家屋を震動させて、隣の屋根の雪が兼太郎の借りている二階の庇へ滑り落ちた。つづいて裏屋根の方で物干竿の落ちる音。どうやら寝てもいられないような気がして兼太郎は水洟を啜りながら起上った。すぐに窓の雨戸を明けかけたが、建込んだ路地の家の屋根一面降積った雪の上に日影と青空とがきらきら照輝くので暫く目をつぶって立ちすくむと、下の方から女の声で、
「田島さん。家の物干竿じゃありませんか。