Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
私は忘れません、母に連れられ、乳母に抱かれ、久松座、新富座、千歳座なぞの桟敷で、鰻飯の重詰を物珍しく食べた事、冬の日の置炬燵で、母が買集めた彦三や田之助の錦絵を繰り広げ、過ぎ去った時代の芸術談を聞いた事。しかし凡ての物を破壊してしまう「時間」ほど酷いものはない。閣下よ。私は母親といつまでもいつまでも、楽しく面白く華美一ぱいに暮したいのです。私は母のためならば、如何な寒い日にも、竹屋の渡しを渡って、江戸名物の桜餅を買って来ましょう。
* * * *
私はどうしても、昔から人間の守るべきものと定められた教に服する事が出来ません。教は余りに酷く余りに冷い。私はどうかして、教に服するよりも、「教」と「私」とが暖かに滑かに一致して行くようにならぬものかと、幾度び願い、悶え、苦しみましたろう。絶望した私は遂に潔く天罰応報と相い争い、相い対峙しようと思うようになってしまいました。私の父は厳格な人です。勤勉な人です。悪を憎む事の激しい人です。父は私が帰朝の翌日静かに将来の方針を質問されました。如何にして男子一個の名誉を保ち、国民の義務を全うすべきかという問題です。