Clásicos japoneses con furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lee 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.000 caracteres · 266 pantallas
話が始めから『義経記』とは少しちがうのである。
そうしてその後の四百何年間、生きていた理由もまた別であった。前年秋の一日、二人の同僚とともに衣川の上流に出て釣をしていると、かわった山伏が出てきて、立ち寄って夕飯を食えとすすめる。行ってみると立派な住居であった。皮もない魚のその色朱のごとくなるを料理して食わせた。名を問えばニンカンと答えたといい、一説にはまた感人羹とも伝えている。すなわち俗間説くところの人魚のことらしく、これを食したお蔭にこの通り長命であったので、格別この人の修養の力でもなかったのだが、小野は深くもこれを尊敬して、ついて兵法を学ぶこと六箇年、その時は内々藩主貞山公にも勧めて、一度は御対面なされたといっている。赤漆の小箱一つ、かつて肌身離さなかったのを、殿さまだけにはお目にかけた。その中には紛れもない九郎判官直筆の証文、また『吉野記』と題する一巻の記録があったなどと書いてあるのはおもしろいが、他には見た人もなかったようである。
不思議なことには右の老人は、ただ義経の家来というのみで、ありし世の本名は語らず、清悦という盲人のような名を用いていた。