Clásicos japoneses con furigana
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うんぜんだけ
雲仙岳
菊池 幽芳
Lee 雲仙岳 (うんぜんだけ) de 菊池 幽芳 (きくちゆうほう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.192 caracteres · 43 pantallas
忽ち濛々たる白煙が、一切を私の目から拭き消したと見ると、すぐまた現れた地獄絵図には、一人の若ものが気息奄々の姿で、地獄の傍に横たえられてある。彼は十六日間責め通されてなお改宗を肯じないのだ。彼の全身は悉く腐爛し、口も眼も鼻も癩患者のようにただれ、彼より発する堪え難い悪臭が恐ろしく鼻をつく。それだのに彼はなお莞爾として、天の栄光をたたえているのだ、彼の上にはシメオンという教名が、イルミネーションの如く、空に燦として私の眼を射る。
けれども、私は更にまた驚くべき光景を見た。大叫喚の地鳴りを立てている岩石の上に、赤い湯もじ一つにされ、突立たせられている一人のうら若い女性がある。丈なす髪はかの女の踵まで届くかに見える。かの女のかぼそい首筋には巨大な重石が、ふっくりつぼみのように膨らんだかの女の双乳を隠すばかりに結びつけられてある。かの女はよろめく度に、幾度かたぎり立つ地獄の中に落ちこもうとしては、渾身の力をもって僅に支えている。けれどもかの女の顔色は自若として変らない。かの女はそうして幾日も幾日もためされている。かの女の上にもイルミネーションの文字鮮やかに、イサベラと記されたのが、私の眼に読まれる。