Clásicos japoneses con furigana
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しんさいにっし
震災日誌
喜田 貞吉
Lee 震災日誌 (しんさいにっし) de 喜田 貞吉 (きたさだきち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.617 caracteres · 40 pantallas
たいていは裸体で、頭髪は焼けて丸坊主となり、道々見て来た焼死体とはまた趣が変っていっそう悽愴の感に打たれざるを得ぬ。まことに想像以上で、かくのごときの惨状は実地を見たものでなければとても想像は出来ぬ。
帰路伊予橋を過ぎて再び両国橋に出る。伊予橋の上下に屍体の浮流しているもの、両国橋の西詰に引き揚げられたもの、その数いくばくと数えも切れぬ。その両国の屍体には、いかなる特志の人の仕業にや、一人一人に廻向の辞を書いた紙片を手向けあるのには、かの寛正二年の京都数万の餓死者について、城北の一僧が一つ一つ小卒塔婆を屍骸の上に置いたという『碧山日録』の記事も思い合されて、言い知れず床しく思われた。
想像以上のあまりの惨状に、このうえ幾万の焼屍体が今なおそのまま横たわっているという、本所の被服廠跡を訪う気にもなれず、転じて神田から丸の内へ出て、夕方に宅に帰った。
このあたりの被害の状況はいずれ詳細記録されたものが世に出ようからすべて略する。
右視察の道筋で、牛乳・サイダーの立飲み、蕎麦の立喰いなどを繰り返した報いとして、帰来さっそく下痢を始めた。ひどくならねばよいがと案ぜられる。