Clásicos japoneses con furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Lee 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.513 caracteres · 43 pantallas
かなり大きい翻訳なのだ、僕が困るといったものだから、これだけ前金を融通してくれたのだ、はははは」と、彼はこともなげに笑った。矢部さんというのは、学校の先輩で、もうすでに文壇にも十分に認められている新進の哲学者であって、青木は二、三度、この人を訪問したことがある。雄吉は、青木に向いてきた幸運を、自分のことのように欣んだ。それと同時に、まだ学生でありながら、そうした大きい翻訳に従事する青木を、賛嘆せずにはおられなかった。
「それで、君に頼みたいのだがね、この小切手を、一つ貰ってきてくれないか。○○銀行支店といえば、そう遠くないのだから、四時までには行けるだろう。裏へ署名して判を押すのだが、僕は判を持っていないから、君の名でやってくれないか」
雄吉が、青木の依頼を唯々諾々としてきいたのはむろんである。雄吉は、自分が青木の代人としてそうした大金を引き出すのを、一個の名誉であるがごとく、欣んで○○銀行支店へ駆けつけた。
手の切れるような、十円札を十枚、汗ばんだ手で握りしめながら、雄吉はあたふたと帰ってくると、青木は鷹揚に、
「やあ御苦労御苦労」と頷いて、雄吉から受け取った札を数えると、その中から二枚を雄吉の前に差し出しながら、「ほんの少しだが、取っておいてくれ給え」