Clásicos japoneses con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lee 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 121.438 caracteres · 238 pantallas
それから考えても、その鏡には何かの秘密がひそんでいるに相違ないと信じられたので、吉左衛門は隣国まで手をまわして、いろいろに詮索した。なにしろ大家で金銭に不自由はないのと、由井の家の名は遠方までもきこえているのとで、こういう場合には何かの都合もよかったのであるが、それでもこの詮索ばかりは思うようにいかないで、あくる年の四、五月ごろまでむなしく月日を過してしまった。姉妹の娘もその後は夢から醒めたようで、なんとも知れない怪しい病気もだんだんに消え去って、もとの健康な人間に立ちかえった。
娘が元のからだに返って、その後なんの変事もない以上、もうそのままに打捨てておいてもよいのであるが、吉左衛門はまだ気がすまなかった。彼は金と時間とを惜しまずに幾年かかっても構わないから、どうしてもその鏡の由緒を探りきわめようと決心して、熊本はもちろん、佐賀、小倉、長崎、博多からいろいろの学者を招きよせて、自分の屋敷内に一種の研究所のようなものを作って、熱心にその研究をつづけていると、その年の暮れ、その鏡が世にあらわれてから丁度一年目に、いっさいの秘密がはじめて明白になった。