Clásicos japoneses con furigana
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かばんのかい
革鞄の怪
泉 鏡花
Lee 革鞄の怪 (かばんのかい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.394 caracteres · 21 pantallas
嬰児は泣く。汽車は轟く。街樹は流るる。
「誰の麁じゃい。」
と赤ら顔はいよいよ赤くなって、例の白目で、じろり、と一ツずつ、女と、男とを見た。
彼は仰向けに目を瞑った。瞼を掛けて、朱を灌ぐ、――二合壜は、帽子とともに倒れていた――そして、しかと腕を拱く。
女は頤深く、優しらしい眉が前髪に透いて、ただ差俯向く。
六
「この次で下車るのじゃに。」
となぜか、わけも知らない娘を躾めるように云って、片目を男にじろりと向け直して、
「何てまあ、馬鹿々々しい。」
と当着けるように言った。
が、まだ二人ともなにも言わなかった時、連と目配せをしながら、赤ら顔の継母は更めて、男の前にわざとらしく小腰、――と云っても大きい――を屈めた。
突如噛着き兼ねない剣幕だったのが、飜ってこの慇懃な態度に出たのは、人は須らく渠等に対して洋服を着るべきである。
赤ら顔は悪く切口上で、
「旦那、どちらの麁か存じましないけれども、で、ございますね。飛んだことでございます。この娘は嫁にやります大切な身体でございます。はい、鍵をお出し下さいまし、鍵をでございますな、旦那。」
声が眉間を射たように、旅客は苦しげに眉を顰めながら、