Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.435 caracteres · 27 pantallas
すぐまた赤羽橋へ取って返す。駕籠をおろすと、また客。
五ツごろから、こんどは品川宿の入り口に網を張ってもどりの客の総浚い。麻布へひとり、すぐ取って返して芝口へひとり、鉄炮洲へひとり。夕方のぶんからあわせて往きと帰りで十一人。さすがのアコ長、とど助もフラフラになって、
「……いや驚きました。調子に乗って無我夢中でやっていましたが、今日はそもそも何十里ばかり駈けましたろう。まっすぐにのばすと岩国の錦帯橋まで行っているかも知れん」
阿古長は、棒鼻にもたれて肩をたたきながら、
「……いや、まったく。頭はチンチン眼はモウモウ。こうして立っているのがやっとのところ。丼へ入れた銭の重量で前へのめくりそうでしょうがないから、こうやって駕籠につかまっているところなんです」
「今日はそもそもなんたる日でありましたろう。おたがい、なにもこうまでして稼ぐ気はないのだが、ついはずみがついて駈けずりまわりましたが、駕籠屋をして蔵を建てるなんてえのも外聞が悪い。気味が悪いからこんな銭すてっちまいましょうか」
「それは、ともかく、こんなところでマゴマゴしていると、また客にとっつかまる。