Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ふうきんとさかなのまち

風琴と魚の町

林 芙美子

Lee 風琴と魚の町 (ふうきんとさかなのまち) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.372 caracteres · 27 pantallas

Aozora Bunko

ちぬごは、まだぴちぴちして鱗が銀色に光っていた。

「何枚着とるんな」

「着物か?」

「うん」

「ぬくいけん何枚も着とらん」

「どら、衿を数えてみてやろ」

男の子は、腥い手で私の衿を数えた。数え終ると、皮剥ぎと云う魚を指差して、「これも、えっとやろか」と云った。

「魚、わしゃ、何でも好きじゃんで」

「魚屋はええど、魚ばア食える」

男の子は、いつか、自分の家の船で釣りに連れて行ってやると云った。私は胸に血がこみあげて来るように息苦しさを感じた。

学校へ翌る日行ってみたら、その子は五年生の組長であった。

10 誰の紹介であったか、父は、どれでも一瓶拾銭の化粧水を仕入れて来た。青い瓶もあった。紅い瓶も、黄いろい瓶も、みな美しい姿をしていた。模様には、ライラックの花がついて、きつく振ると、瓶の底から、うどん粉のような雲があがった。

「まあ、美しか!」

「拾銭じゃ云うたら、娘達や買いたかろ」

「わしでも買いたか」

「生意気なこと云いよる」

父はこの化粧水を売るについて、この様な唄をどこからか習って来た。

一瓶つければ桜色

二瓶つければ雪の肌

諸君! 買いたまえ

買わなきゃ炭団となるばかし。