Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こうでん

香奠

豊島 与志雄

Lee 香奠 (こうでん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.989 caracteres · 46 pantallas

Aozora Bunko

」

「そうでしょうか。」と彼は平然として最後に答えました。

「だがまあやってみるさ。」と私は云いました。「僕の云うのが本当か、君の庭が成功するか、一つ賭をしてみようじゃないか。」

「ええ。」と彼は曖昧な返事をして、善良な薄ら笑いを洩しました。

でその話はそのままになって、彼は孟宗竹の大きな鉢植を大事そうに抱えて帰りました。

それから、私は彼の顔を見る毎に、「君の庭はどうだい、」と冗談に尋ねるのが、殆んど口癖のようになりました。彼は何とも答えませんでしたが、妙に陰鬱な影を眉間に漂わせました。

それに早くも気がついて、妻は或る時私に云いました。

「あんまり変なことを仰言ると可哀そうですわ。屹度一人っきりで淋しいんですよ。」

「なあに若い者は大丈夫だ。」と私は答えました。「みててごらん、今に東京が好きでたまらなくなるから。」

そして私は平気でいました。彼も別に何とも云い出しませんでした。がただ一度、何かの話のついでに、憤慨めいたことを妻に洩したそうです。

「先生は故郷を忘れていらっしゃるんです。故郷をちっとも愛していらっしゃらないんです。その証拠には……。」そこで彼は長く考え込んだそうです。