Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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まほうにんぎょう

魔法人形/サーカスの怪人

江戸川 乱歩

Lee 魔法人形/サーカスの怪人 (まほうにんぎょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 148.224 caracteres · 297 pantallas

Aozora Bunko

そのテーブルのむこうに、ひとりの男がいすにかけていました。

みょうな男です。まっかな背広をきて、恐ろしくでっかい、みどり色のちょうネクタイをしています。頭の毛は、西洋人のように茶色で、ふさふさして、顔は、あぶらでもぬったように、てらてらと光っています。そして、茶色のモジャモジャしたまゆげの下に、まんまるな目が、じっと、こちらを見ているのです。

気味のわるいことに、その目が、こちらを見たまま、すこしも動きません。まばたきもしないのです。いや、目ばかりではなく、からだぜんたいが、まるでミイラのように、ちっとも動かないのです。

マユミさんは、なんだかゾーッとして、逃げだしたくなりました。しかし、逃げるところがありません。たった一つのドアに、さっき、西洋悪魔が、かぎをかけていってしまったからです。

「きみ、こちらへきたまえ。」

子どものような、かんだかい声が聞こえました。テーブルの男がいったのでしょう。しかし、口はすこしも動きません。目も動きません。

まるで腹話術でもやっているような感じです。

マユミさんが、へんじもしないでつったっていますと、その男は、また、同じことをくりかえしました。