Clásicos japoneses con furigana
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りぎょ
鯉魚
岡本 かの子
Lee 鯉魚 (りぎょ) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5795 caracteres · 12 pantallas
僧たちの訴えを静かに瞑目して聴いていた住持三要は、いちいちうなずいていましたが最後に、
「判った。だが、昭公が一緒に居たのは、確とおなごかな。鯉魚をおなごと見誤ったのではないかな」
「そんな馬鹿な間違いが」と、いきり立つ僧を押えて三要は言いました。
「おなごか鯉魚かわしが見んことには判らん。これは一つ昭公と大衆と法戦をして、その対決の上で裁くことにしよう。早速、鐘を打つがよろしい。双方、法堂へ行って支度をしなさい」
三要はこう言ってじろりと昭青年を見ました。もはや諦めて既に覚悟の態であった昭青年が、この眼に出会って思わず心に湧き出た力がありました。それは自分だけの所罰なら何でもない。しかし、沙弥とは言え、寺門に属する自分を誘惑した罪科として、あのかよわい姫まで罰せられるとも知れない。これは一つ闘おう。その勇気でありました。昭青年は思わず低頭合掌して師を拝しました。その時、もう知らん顔で三要は座を立ち法堂へ急ぐ様子でした。
四
法戦が始まりました。曲に拠る住持の三要は正面に控え、東側は大衆大勢。西側に昭青年一人。問答の声はだんだん高くなって行きます。