Clásicos japoneses con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Lee 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 262.100 caracteres · 523 pantallas
「ふウむ……だいぶ話が面白そうだ。じゃあ一角、貴公は仇討にでも出ているのか?」
「なにさ、そんな読本物の筋ではない」
「じゃあ、どうなんだ」
「ちと、手軽には、話しかねる」
「水くせえことはよそうじゃねえか。おれも昔の関屋じゃねえ、お十夜孫兵衛とかっていう、妙な通り名をつけられて、少し垢抜けをしかけている人間だ。やくざ者はやくざなりに、打ち明けてくれりゃ、力にもなろうし、儲かることなら乗ってもいいし、また縁のない話なら、口外ご無用、それでアバヨとしようじゃねえか」
「それは、話さぬと申す訳ではないが、殿様より直命をうけてまいった大事……路傍ではちと畏れ多い気も致してな」
「と、いわれると、なお聞きたい」
「実は、お家にとって、生かしておけぬ一人の男をつけてきたのじゃ」
「男だけでは分らねえが……それは?」
「――法月弦之丞というやつ」
「おい!」
いきなり腕くびをつかんできたので、一角はぎょッとした。
「なんだ」
「法月弦之丞?」
「いかにも」
「ちょッとこっちへ寄ろうじゃねえか。ここは土手へ出る馬道の本通りだ、吉原へゆく四ツ手や人通りが多くって、おちおち話もしていられない」