Clásicos japoneses con furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lee 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 78.148 caracteres · 154 pantallas
有触れた銀流し、汚い親仁なら何事もあるまい、いずれ器量が操る木偶であろう。
「姉や。」
この時、人の背後から呼んだ、しかしこれは、前に黄な声を発して雀海中に入ってを云々したごとき厭味なものではない。清しい活溌なものであった。
婦人は屹と其方を見る、トまた悪怯れず呼懸けて、
「姉や、姉や。」
「何でございますか、は、私、」
「指環でも出来るかい。」
「ええ、出来ますとも、何でもお出しなさいましよ。」
「そう、」と極めてその意を得たという調子で、いそいそずッと出て、店前の地へ伝法に屈んだのは、滝太郎である。遊好の若様は時間に関らず、横町で糸を切って、勇美子の頭飾をどうして取ったか、人知れず掌に弄んだ上に、またここへ来てその姿を顕した。
滝太郎は、さすがに玉のような美しい手を握って、猶予わず、売物の銀流の粉の包、お験しの真鍮板、水入、絹の切などを並べた女の膝の前に真直に出した。指環のきらりとするのを差向けて、
「こいつを一つ遣ってくんねえな。」
立合の手合はもとより、世擦れて、人馴れて、この榎の下を物ともせぬ、弁舌の爽な、見るから下っ腹に毛のない姉御も驚いて目をった。