Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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どんてん

21世紀の日本人へ 永井荷風

永井 荷風

Lee 21世紀の日本人へ 永井荷風 (どんてん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 24.356 caracteres · 51 pantallas

Aozora Bunko

悲壮な覚悟があるように見える。世に豪奢を誇った香以が、晩年落魄の感慨を托するに破芭蕉を択んだのははなはだ妙である。わたくしはその着眼の奇警にして、その比喩の巧妙なるに驚かねばならない。その調の豪放なることは杜樊川を思わしめる。

わたくしもすでに久しくおのれの生涯には飽果てている。日々の感懐にはあるいは香以のそれに似たものがあるかも知れない。しかしわたくしには破芭蕉の大きくゆるやかに自滅の覚悟を暗示するような態度は、まだなかなか学ばれていそうにも思われない。ぼろ片よりも汚ならしい見じめな無花果の枯葉がわたくしには身分相応であろう。

わたくしは南京米をごしごしとぎながら、無花果の枯葉を眺め、飽き果てし身に似たりけり……と口ずさんだが、後の五字に行詰ってそのまま止してしまった。

○

赤坂氷川神社の樹木の茂った崖下に寺がある。墓地に六文銭の紋章を刻んだ大名の墓がいくつも倒れている寺である。

本堂の前の庭に大きな芭蕉の、きばんだ葉の垂れさがった下に白い野菊の花が咲きみだれ、真赤な葉頭が四五本、危げに立っていた。ある年のある日に試みた散歩の所見である。