Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lee あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.451 caracteres · 236 pantallas
養母はその時、青柳にその時々に貸した金のことについて、養父から不足を言われたのが、気に障わったと云って、大声をたてて良人に喰ってかかった。話の調子の低いのが天性である養父は、嵩にかかって言募って来るおとらの為めに遣込められて、終には宥めるように辞を和げたが、矢張いつまでもぐずぐず言っていた。
「ちっと昔しを考えて見るが可いんだ。お前さんだって好いことばかりもしていないだろう。旧を洗ってみた日には、余り大きな顔をして表を歩けた義理でもないじゃないか」
養蚕室にあてた例の薄暗い八畳で、給桑に働いていたお島は、甲高なその声を洩聞くと、胸がどきりとするようであった。お島は直に六部のことを思出さずにいられなかった。ぶすぶす言っている哀れな養父の声も途断れ途断れに聞えた。
青柳に貸した金の額は、お島にはよくは判らなかったが、家の普請に幾分用立てた金を初めとして、ちょいちょい持っていった金は少い額ではないらしかった。この一二年青柳の生活が、いくらか華美になって来たのが、お島にも目についた。養父の知らないような少額の金や品物が、始終養母の手から私と供給されていた。