Clásicos japoneses con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lee あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.451 caracteres · 236 pantallas
結婚届まですましてあったお島と作太郎との関係についての鶴さんの疑いは、お島が説明して聴す作太郎の様子などで、その時はそれで釈けるのであったが、その疑いは護謨毬のように、時が経つと、また旧に復った。
「嘘だと思うなら、まあ一度私の養家へ往ってごらんなさい。へえ、あんな奴がと思うくらいですよ。そうね、何といって可いでしょう……」お島は身顫が出るような様子をして、その男のことを話した。
「嫌う嫌わないは別問題さ。左に右結婚したと云うのは事実だろう」
「だから、それが親達の勝手でそうしたんですよ。そんな届がしてあろうとは、私は夢にも知らなかったんです」
「しかもお前達夫婦の籍は、お前の養家じゃなくて、亭主の家の方にあるんだから可怪しいよ」
最初は心にもかけなかったその籍のことを、二度も三度も鶴さんの口から聴されてから、お島は養家の人達の、作太郎を自分に押つけようとしていた真意が、漸と朧げに見えすいて来たように思えた。
「そうして見ると、あの人達は、そっくり私に迹を譲る気はなかったもんでしょうかね」お島は長いあいだ自分一人で極込んでいた、養家やその周囲に於ける自分の信用が、今になって根柢からぐらついて来たような失望を感じた。