Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
Lee いさましい話 (いさましいはなし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 36.835 caracteres · 73 pantallas
肚はきめているが、さすがに平気ではいられなかった。玄一郎は江戸邸の道場では群をぬく達者で、十八の年からは小野派をまなび、そこでも上位から五番と下ったことはなかった。
しかし真剣での勝負はまったくべつである、一流の名人といわれる者が、夜盗の刃にかかることもある。ことに明日の相手は二人三人では済みそうもない、少なくとも白旗八幡の境内に集まった者は、みんな敵にまわすとみなければならない。
とすれば勝敗は問題ではない、どこまで闘えるか、どうすれば恥ずかしくなく死ねるか。つきつめたところ懸念といえば、その二つであるが、その二つの懸念がなかなか踏み切れるものではなかった。
「今夜は更けて湯を浴びるから」
家へ帰った玄一郎は、召使にこう命じて居間へはいった。
松尾はどこかの集りへいったそうで、夕餉にも姿をみせなかった。玄一郎はずっと居間にこもり、役所に関するものと自分の身辺の処置、また江戸の友人への手紙など、遺書のかたちでそれぞれに書いて封をし、手文庫を出して私信を焼いたりした。
すっかり終ったのは十時ころである。召使に茶を淹れさせ、ほっとして窓に倚ると、障子に青白く光りがさしている。