Clásicos japoneses con furigana
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Lee いなか、の、じけん de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.535 caracteres · 78 pantallas
「別荘の中は殿様の御殿のように、立派な家具家財で飾ってあるよ」
「女中みたような若い女が二人と、運転手が下男みたような男衆が六七人とで、そんな家具家財を片付けながら、キャッキャッとフザケ合っていたよ」
「六七台の自動車は日暮れ方にみんな帰ってしまって、後には若い女中二人と、お吉婆さんと、青い綺麗な籠に這入った赤い鳥が一羽残っているんだよ」
「その赤い鳥は奇妙な声で……バカタレ……馬鹿タレエッて云っていたよ」
というような事実が、その夕方、沖から帰って来た村中の男達に、大袈裟な口調で報告された。それを聞いた男たちは皆眼を瞠った。
「ウーム。そんならその奥さんチウのはヨッポド別嬪さんじゃろ」
「いつ来るんじゃろ。その別嬪さんは……」
「あたしゃ初めあの女中さんを奥さんかと思うたよ。あんまり様子が立派じゃけん」
「あたしもそう思うたよ。……けんど二人御座るのも可笑しいと思うてナア」
「お妾さんチウもんかも知れんテヤ」
「ナアニ……その赤い鳥が奥さんよ」
「……どうしてナ……」
「……どうしてちうて……ウチの赤い鳥でも、毎日のように俺の事を、バカタレバカタレ云うてケツカルじゃないか」