Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おしどり

おしどり

新美 南吉

Lee おしどり de Niimi Nankichi (新美 南吉) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5557 caracteres · 12 pantallas

Aozora Bunko

さぎのようにやせ、さぎのように気品のある老人であった。手には一管の笛をたずさえていた。若者はその全体の風貌からいままでに知らなかった威圧をうけたので、思わず一揖した。すると老人は音も立てずに一歩歩をすすめて、「何か思いごとがあって毎日ここにこられるのか」とたずねた。若者はこの老人をみるのは今日がはじめであったので、老人が自分の毎日ここにやってくることを知っているのに不審をいだいた。「失礼でございますがあなたはどなたでしょうか」と彼はききかえした。「わたしはこの水の底に住んでいる水の精じゃ」と老人は答えた。若者はおどろいていずまいをつくろった。老人は語をついでいった。「わたしはこの水の底深くひそんでいて毎日笛をふいておる。だが、わたしのふきならす笛の音色はあなた方、土の上の者には聞こえはせぬ。それを聞くことのできるものは水の中に住まうものばかりじゃ。一分のめだかから一尺の鯉にいたる魚のすべて、さぎ、白鳥、おしどり、鴨、鶴など水に親しむ鳥どものすべて、また水にさく浮草の花の一つ一つが、それを聞くのじゃ。なぜ彼らに笛の音をきかしてやるのかとおっしゃられるか。