Clásicos japoneses con furigana
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かたいおおきなて
かたい大きな手
小川 未明
Lee かたい大きな手 (かたいおおきなて) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 3886 caracteres · 8 pantallas
早く帰らなければ。」
こうおじいさんは、ひとりごとをしてから、話は、またお金のことにもどりました。
「わしが、はじめて、東京へきたとき、夜おそく電車に乗ったことがある。雨の降る暗い晩で、その車には、あまり人が乗っていなかった。そのうち、車掌が、切符を切りにきて、一人の男の前で、なにかあらあらしくいっていたが、その男を、途中からおろしてしまった。みすぼらしいふうをして、かさも持っていなかったが、聞いてみると、一銭不足のためというのだった。もっとも、あのころだけれど。」
ふけると、さすがに冷えて、おじいさんが、くしゃみをなさったので話を打ち切って、みんなも、寝ることにしました。いつになく、おそくまで、起きていた、勇吉が、
「おじいさんは、やっぱり、いなかのほうが、いいんでしょう。」というと、
「勇ぼうは、いなかへきて、おじいさんの家の子にならんか。」と、しわのよった、かたい、大きな手で、頭をなでられました。
勇吉は、かつて、知らなかった、あたたかな、強い力を感じました。それがいつまでも、頭に残ったのでした。