Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

Lee ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 164.113 caracteres · 332 pantallas

Aozora Bunko

名古屋の人は今日でも金に詰まるとこの鯱のことを考えます。目は径一尺の銀むく、これだけでも一寸凌げますな。そうして瞳が赤銅です。何しろ三十六大名が仰せつかって、人足二十万、工事監督が加藤清正と来ていますから、全くの金城鉄壁で、三百余年の間瓦一枚も落ちません」

と徳さんは案内役に身を入れた。

お城を一周して練兵の坂というのを上った。名古屋は完全に平坦な市で坂というほどのは此処ばかりだそうだ。再び碁盤割の市街に入ったが、古着屋ばかり並んでいるところを通った時は驚いた。

「此処は東京なら日蔭町か柳原です」

と徳さんが言った。度々逃げて行っただけに東京のことをよく知っている。

こんな風で僕達は徳さんの案内に委せてお昼前に中村公園と鶴舞公園を見物した。前者は小さいが太閤が呱々の声を揚げたところで猿面冠者産湯の井戸というのが残っている。後者は近代式の大公園、何かというと市民が此処に集まること丁度日比谷公園の格だけれど、田舎だから警視庁はない。尤も一足飛びに監獄がすぐ近辺にあるそうだ。

「名古屋人を軽薄だというが、それは中京の真相を知らないものゝ説だね」

と団さんは池の畔のベンチにかけて煙を吐きながら語りだした。