Clásicos japoneses con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas
もしもそうなら、これをしっかり掴んで、おれたちのものにするんだ、と栄二は思った。
道の角で辻駕籠をひろい、船松町の河岸で島へゆく渡し舟に乗った。島へあがると門番所をたずね、岡安喜兵衛に面会を求めた。
「ぶしゅうじゃないか」門番小屋の老番士はびっくりしたように云った、「こりゃ驚いた、よく来たな、いまどうしてる、足のほうはどうだ、ま、ちょっとここへ掛けろ」
このあいだに、中年の番士が取次ぎにゆき、岡安がすぐに会う、という返辞をもって戻った。老番士は莨をふかしながら、暴風雨のときの話をしたいようで、帰りに寄れと、みれんがましく繰返していた。
役所へゆくと下役人が、栄二を接待へとおした。岡安喜兵衛はまもなくあらわれたが、黒い袴は皺だらけだし、胸もとには下着の襟が出ていた。まるで喧嘩でもしていたような、かつて見たことのない着崩れた恰好で、栄二はなにごとかと眼をみはった。岡安はその眼に気づいたのだろう、袴を叩き、襟もとを直しながら坐って、新しく来た人足で手に負えない暴れ者がいるものだから、というようなことを、弁解するように呟き、それからふと、不安そうに栄二の顔をみつめた。