Clásicos japoneses con furigana
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たねこのゆううつ
たね子の憂鬱
Lee たね子の憂鬱 (たねこのゆううつ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3606 caracteres · 8 pantallas
一冊の本に失望したたね子はもう一冊の本を検べ出した。
「繃帯法。巻軸帯、繃帯巾、……
「出産。生児の衣服、産室、産具……
「収入及び支出。労銀、利子、企業所得……
「一家の管理。家風、主婦の心得、勤勉と節倹、交際、趣味、……」
たね子はがっかりして本を投げ出し、大きい樅の鏡台の前へ髪を結いに立って行った。が、洋食の食べかただけはどうしても気にかかってならなかった。……
その次の午後、夫はたね子の心配を見かね、わざわざ彼女を銀座の裏のあるレストオランへつれて行った。たね子はテエブルに向かいながら、まずそこには彼等以外に誰もいないのに安心した。しかしこの店もはやらないのかと思うと、夫のボオナスにも影響した不景気を感ぜずにはいられなかった。
「気の毒だわね、こんなにお客がなくっては。」
「常談言っちゃいけない。こっちはお客のない時間を選って来たんだ。」
それから夫はナイフやフォオクをとり上げ、洋食の食べかたを教え出した。それもまた実は必ずしも確かではないのに違いなかった。が、彼はアスパラガスに一々ナイフを入れながら、とにかくたね子を教えるのに彼の全智識を傾けていた。