Clásicos japoneses con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Lee つぼみ de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.918 caracteres · 44 pantallas
その目つきと口元を見て、悪いとは思いながら「あんまり目から鼻にぬけるような人じゃあない」とまるで六十か七十の人のような気持でこんな事を思った。
母とおまきさんとはだれでもがするようにこめつきばったをやって居る。
「ほんまに年ばかり大きゅうてからややさまやさかえ」
こんな事をつけたしにして母にその娘をひき合わせた。重そうな頭をそうっとさげてまっかなかおをした様子を私はつくづくと見て居た。
「サ、百合ちゃんおぼえておいでかい、もう忘れてしまったんだろうけれど、この方が御まきさん、あなたは――御仙さんて御っしゃいましたっけか?」
娘さんにきくと合点をしたんで、
「ほんとうにうちのは御てんで困るんですよ、何も出来ないくせに理くつばかりこねて」
私のあんまりうれしくない前おきをされてからあわてて御じぎをした、もうこれで五度か六度した。
私はしたしい人のうちに来て口もきかず合点をしたりイヤイヤをしたりばかりして居るお仙さんをあやつり人形を見るような生きたのでないような気持で見て居た。それで一寸もうれしいとかなつかしいとか云う気はおこらずにめずらしい大きな人形を見る通りにただその大きく結った髪や千鳥の帯や長い袖を見て居た。