Clásicos japoneses con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lee みなかみ紀行 (みなかみきこう) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 102.087 caracteres · 203 pantallas
私は思わず立ち上って遠く真白な煙に向いながら帽子を振った。そして何ということなく一声二声の大きな叫びを挙げた。すると老爺も惶てて立ち上ってその大きな掌を振った。
「あんまりあの辺で高話をして若い衆を追い散らすでねエと今朝総領が云うとりました」
と笑う。成程そうかともう一度私はこの深い色に燃え立っている頭上の大森林を見上げて新たな讃美と歓喜の情を致した。
径は程なくその森つづきの密林の中へ入って行った。誠に驚くべき樹木である。いろいろと木の名をも尋ねたが、一番眼についたのは山毛欅であった。いずれも幹の直径二尺から三尺に及び、おおかた青い苔を纏うて真直ぐに天に聳えて行っているのである。それが十本二十本百本と次ぎ次ぎに相聳えてすくすくと伸びた大枝小枝のさきに鮮黄色の葉をつけている。既に地に散っているのもあるが、まだ枝にある方が多い。まことに今日を盛りの黄葉の木であり森であるのであった。この木の葉は朴に似てやや小さく、長さ八寸幅二寸位い、朴よりも繁く枝についている。そして同じく葉脈のすじを浮かして見せるほどの鮮かな色に黄葉している。中にはまた常磐樹の栂もあった。