Clásicos japoneses con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lee キャラコさん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 26.767 caracteres · 54 pantallas
そこまでは、たしかにうまくいったが、急に支えをはずされた岩盤は、えらい速さで洞道の上に倒れかかり、まさにはい出し終わろうとしている原田氏の右の足首をおしつぶしてしまった。
原田氏は、膝から下を血みどろにして、三枝氏におわれて小屋へ帰って来た。
この時も、キャラコさんは、たいへんに沈着だった。
分析台の上に寝かされた原田氏の足首が石榴のようにグズグズになり、はじけた肉の間から白い骨があらわれ出しているのを見ても顔色ひとつかえなかった。その度胸のよさといったらなかった。
山下氏と三枝氏が、気ぬけがしたようにぼんやり突っ立っているうちに、キャラコさんは鋏でズボンを切り開き、手早く清水で傷口を洗うと、左手でギュッと原田氏の脚をおさえながら沃度丁幾を塗りはじめた。
原田氏が、牛のような声でほえ出した。
「ああ、灼けるようだ。気が遠くなる」
蒼ざめた額に玉のような汗をかき、身体じゅうを痙攣させながら悲鳴をあげた。
「もう、よしてくれ。足なんかいらないから、もう、よしてくれえ。死にそうだ」
キャラコさんは、やめない。しっかりした声で、激励する。
「もう、一、二分。