Clásicos japoneses con furigana
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シナーニしょてんのベンチ
シナーニ書店のベンチ
宮本 百合子
Lee シナーニ書店のベンチ (シナーニしょてんのベンチ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 7387 caracteres · 15 pantallas
どの書簡でもそうだが、これらのチェホフの手紙は相変らず賢こい。しかし、彼の出版者マルクスへやった手紙よりは、当然感傷的だ。訳者の思想や文法的知識以上に、彼女の感情がこの翻訳に大切な役割を持った。だから、心持に手綱のかかっている前半より、一九〇〇年八月、チェホフが楽々と「ヴイ」を「トゥイ」にかえてクニッペルを呼び始めてから、訳者も彼女の心持をのばしている。
さて、再び訳者からは離れる。そしてチェホフが妻に向って、お前は今舞台稽古か、メルズリヤコフスキー小路にいるか、ヤルタからは、私からは遠い。と書いたモスクワで、特に芸術座から近いホテルの机でこの書簡をよみ、私はどんな感じを受けているか。
一言にいえば、大変面白い。特に、桜の園の上演を見た後では。また、日常生活のこまごましたこと、たとえばこの書簡集にはもちろんロシア小説の到るところに現れて、分るようで分らなかった午餐を、自身食べたり食べなかったりして暮していると、散髪につき、風呂につき、チェホフがしばしば妻に訴えているロシア式不便を、滑稽な位理解する。これは、高貴な或は悲しく面白い彼等の魂とともにあらゆるロシア生活中最もロシアらしきものの一端だ。