Clásicos japoneses con furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lee スウィス日記 (スウィスにっき) de 辻村 伊助 (つじむらいすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 216.275 caracteres · 410 pantallas
街道は、あるときは丘の斜面に、キンバイや三色菫の咲き乱れた間をぬけたり、またはさらさらと流れ落ちる、山川の岸に沿う牧場のふちをぐるっと廻って、行き止りになるかと思うと、柵のあいだに小さな木戸があって、また西の方へつづいてゆく。往来のところどころに聖像がある。画や小説で見ると中々詩的だが、いずれも身体を白くぬって、茨の冠は草色に、胸から手足にかけて血をべたべたぬりつけた奴だから、有り難いのなつかしいのなんて感じはてんで起らない。マリヤの像も路ばたに立ってるが、これも同様で、こう露骨な像は何にしても気味が悪くていけない。サン・セバスチヤノの矢疵だらけなのも、異教徒の迫害の画も、伊太利派の有名な宗教画の大部分は、私には、不快な感じのほかに何ものをも与えない、同じ宗教画にしても、日本の地獄極楽の画などは余ほど茶気があるだけに、滑稽な感じが先きにたって、見ていても気持ちを悪くするほどではないが、こんな聖像よりは、必要だと思うなら、簡単な十字架かサイン・ポストでも建てた方がよさそうだ。
少し行くと、路の曲りかどにまた立ってる。獄門の下でも通るように、顔をそむけてうつむいてゆくから、知らない奴が見たら、ははあ有りがたがって御辞儀をするなんて、よく有り勝ちな、見当ちがいな解釈をするだろう。