Clásicos japoneses con furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lee ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) de 牧野 信一 (まきのしんいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 27.321 caracteres · 54 pantallas
そらそらあの焚火の傍で何か叫んでいるらしい赤鬼のような老人が指揮者の丸源だよ。……どうだい。」
焚火の炎が、月明の真中にともされた大提燈のように輝いて、働いている人たちの姿が、提燈の画になって見える。
「惜しい哉、声がとどかないな。」
「それは無理だ。」
「それが一層輝々しい眺めとなって、見えるじゃないか!」
僕は、仕事場の壮麗な遠望に魂を奪われて固唾をのんだ。僕は、振りあげられた槌が、打ち下され、更に打手の頭上に構えられた時分に、打たれた音がこっちの耳に響いて来るほどの距離であるにもめげず、かがりの火の明るさをすかして、彼らのどんな微細な動作をも見逃さぬように努めた。
月光の、静寂な大気の――無限大に青白いスクリーンの中央に、世にも不思議な巨大なランプの月の傘の如く八方に放った光芒が澄明な黄金の輪を現出して、その一区劃の中ばかりが戦闘準備のように花々しい活気を呈している面白い光景に僕は魅了された。
……すると――おそらく僕が余りに凝然と眼を視張って眼ばたきもしないでいるために起る視覚の錯誤なのだが、その巨大な提燈は、活躍を続けている花々しいシルエットをはらんだまま、スーッと音もなく滑走し、宙に浮んで、小さく、明るい月に変った。