Clásicos japoneses con furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lee ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.523 caracteres · 37 pantallas
口なんか少しも利かないの。窓の様子を調べたり、床の上を這い回ったり、壁を叩いて見たり、あたしこう思ったわ。きっと二人共近頃流行の探偵小説にかぶれて、名探偵気取りで、犯人を探そうと思って競争しているんだと。二人はよく競争するんですものね。え、あたしが居るからだって。冗談でしょう。二人ともなかなかそんな人じゃなくてよ。それであたし二人が余り探し回るから、ちょっとからかおうかと思ったけれども、場合が場合でしょう。それに二人が余り真剣なんですものね。手持ち無沙汰でもあり、気味悪くもあり部屋を出ようとすると、内野さんが、『八重ちゃん。まだ外の人には知らさない方がいいよ』といったので、あたしは自分の部屋へ帰ったけれどもどうしてよいのやら、いても立っても耐らなかったわ。
そのうちに下村さんが警察へ電話をかけたらしいの。八時頃だったでしょう。自動車でドヤドヤと大勢お役人さんが来たの、あたし達みんな順繰りに調べられたわ。お役人さんて妙ね、髭をはやした立派な身装りをした人が、痩せこけたみすぼらしいお爺さん見たいな人にヘイヘイするんですものねえ。あのお爺さんがきっと判事さんとか検事さんとかいうのよ。