Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ニッケルのぶんちん

ニッケルの文鎮

甲賀 三郎

Lee ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.523 caracteres · 37 pantallas

Aozora Bunko

内野さんと下村さんは訊問が済んで、書生部屋へ帰ると、何かコソコソ話し出したの。紅茶という声が聞こえたので、あたしは思わず聞き耳を立てると、

『君、どうして検事に先生の前で紅茶を飲んだ事をいわなかったのだい』内野さんの声、

『君こそどうして隠したんだい』下村さんの声。

『僕は先生に迷惑がかかりはせぬかと思ったのでいわなかったよ』

『僕もまあ君と同じ理由だが、も一つは君が迷惑しないかと思ってね』

『何、僕が』内野さんは驚いたようだったわ。『どういう訳だい』

『君はグッスリ寝ていて何も知らなかったというのはほんとかい』

『残念ながらほんとだよ、君が何をしても知らなかったさ』

『妙な物のいい方だね』下村さんは案外落ち着いているわ。『僕こそ君が何をしても知らなかったのだよ』

二人で疑りっこしているのだわ。あたし二人ともよく寝ていた事は知っているのだから、喧嘩になるようなら、そういってあげようかと思っていると、いい塩梅にそれっきり話がしまいになったらしいの。

そうこうしているうちに大変な事が持ち上がったの。奥さんはほら前にいった通り瀕死の病人でしょう、先生の事なんかお耳に入れるとどんな事になるか分からないので、お役人も考えていたらしいのですけれども、聞かなきゃならない事もあるし、話さずに置く訳に行かなくなったので、まあお米さんが