Clásicos japoneses con furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lee ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.523 caracteres · 37 pantallas
下村さんが突然叫び出したのであたし吃驚したわ。
下村さんのいう事がもっともらしいので、お役人もいう通りに削って見たけれども、やっぱり中までニッケルだったの。下村さんの考えは鍍金じゃないかと思ったのでしょう。
『中までニッケルですか』がっかりしたようにいってまた腕を組んで考え出したわ。
そうすると今度は内野さんが怒鳴り出したの。
『あいつだ。そうだあいつだ』
皆吃驚して内野さんの方を見たわ。
『皆さん、ご承知でしょう。ドイツ語教師古田正五郎を、あいつです。ここへ忍び込んで来たのは』
あたし二度吃驚したわ。だってこの古田の話はやっぱりあの無電小僧と関係して、つい先頃新聞に喧しく出された不思議な事件ですものね。今でこそもう覚えている人は余りありますまいが、当時は知らない人ってなかったでしょう。古田というのはね、どっか私立学校のドイツ語の先生で、片手間に翻訳なんかしている人なの。新聞に写真が出てたっけが、クシャクシャとした顔で、まるで狆ね、それでいて頭が割合に大きくて背が人並はずれて低いっていうのですから、お化けに近いかも知れない。でも頭脳が大変よくて、翻訳なんか上手なんですって。