Clásicos japoneses con furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lee ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.011 caracteres · 23 pantallas
その夜も我慢に我慢を重ねたすえ、ついに止むに止まれぬ次第となったので、藁松明に火をともし、風の音にも胸をとどろかせながら、そろりそろりと厠の方へ歩いてゆくと、眼の前の石垣伝いに漂い歩いている、なんとも形容のつかない朦朧たる物の影を見たから、日ごろ小胆なるコン吉は、一たまりもなく逆上して、一切夢中に松明を振り上げ、こいつを物の化めがけて投げつけると、松明はちょうどその足もとまでころがってゆき、幽霊はたちまち裾から火が付いて燃えあがった。幽霊は、
「うわッ」と、ものすごい声で叫びながら石垣の下へ飛び降り、草の上をころげ廻ってようやく火を消し止めると、小走りをしながら雑木林の中へ消え失せた。
跡をも見ずに逃げ帰ったコン吉は、夜明けまでがたがたと歯の根も合わずに震えていたが、日の出と共にようやく元気を取りもどし、
「タヌ君、これはいよいよ駄目だ、急いでこの小屋を引きあげることにしよう。この小屋ではやたらに人が死んだそうだから、いずれ続々と出て来るに違いない。一人でもあんなに驚くのだから、束になって出て来たら、僕はもう目を廻すよりほかにしようがない」というと、タヌは、