Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ボニンとうものがたり

ボニン島物語

久生 十蘭

Lee ボニン島物語 (ボニンとうものがたり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.772 caracteres · 41 pantallas

Aozora Bunko

私は早く船に戻ったが、夜になっても、あくる日になっても、ただの一人、帰って来るものはない。行ってみると、みな成りものの谷間に入っていて、腹が空くと、寝そべったまま、手を伸ばしてそばのものをひき寄せて食っているという……

思いしめられることではありませんか。物があり余るばかりに、何年となく、礫まじりの砂上に鍬を突きたて、汗を流していた名子の働きものが、たった一日で、手のつけられぬ怠け者になってしまった。押しても、突いても、白眼でひとの顔を見あげるばかりで、働くこともしない。

三日ばかりは、黙ってみていてくれたが、いくら異人でも丹精した畑作を、際限なしにやられてはたまらない。マザロというイタリーの人が代表で、島裏から出てきて、ここはわれわれどもの土地だから、すぐ出て行ってくれという掛合いです。この北に、いくらも島があるから、そこへ行ったらよかろうといっている。

移ったのが、さきほどお話した、その島です。木の実は少ないが、蒔けば成る立派な畑地がある。さっそく竿入れをして、播種にかかったが、名子の若いやつや、舟子の陸使いどもが、せっかく無人の島へ来ながら、上から追い使われるのは面白くない。