Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
Lee リラの手紙 (リラのてがみ) de 豊田 三郎 (とよださぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.702 caracteres · 30 pantallas
その夜から再び青江は久能に冷淡になった。勿論その蔭には強烈な意識が針のように動いていた。お互の時間がかけ違っていて機会は滅多になかったが、出会っても、知らぬ顔をし、一緒に食事する時も一枚の板のような表情だった。
頼子から承諾の手紙が来た。同じ封筒、同じ芳香。しかし前とこれも同じ様に、取あえず、と認められてあった。この四字はいつも妙に白っちゃけていて、芳香に誘われて頼子に親しみを感じていく久能の心にひやりと冷たい氷をあてる、いわば防腐剤であった。しかし久能はその封筒を、父の遺した螺鈿の文筥に大事げにおさめた。
久能が菊崎という同級の中で一番の真面目で通っている男の処へノートを返しに行くと驚ろいたことにはもう論文を自分でタイプしていて、久能さん、僕は昨夜――省の――局長を訪ねて来ましたよ、というので、久能は驚歎して、僕なんかまだ論文も書き始めないし、未だ就職運動どころじゃない、何しろ今小説を書いてるところですからねと答えると、菊崎は、困りますよ、そんな心掛じゃと白い歯で笑った。久能は、みていろ、俺だって、いい小説を書いて学校なんか蹴とばしてやるぞと意気込んで帰って来、二時近くまで、ペンを走らし、漸く書き終って読み返し出すと、消しや書き入れで支離滅裂になっているためか、書いた事が少しも心にふれて来ないだけで