Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かじとポチ

一房の葡萄

有島 武郎

Lee 一房の葡萄 (かじとポチ) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 23.753 caracteres · 48 pantallas

Aozora Bunko

そして妹にいってやった。

「もとはっていえばおまえが悪いんだよ。おまえがいつか、ポチなんかいやな犬、あっち行けっていったじゃないか」

「あら、それは冗談にいったんだわ」

「冗談だっていけないよ」

「それでポチがいなくなったんじゃないことよ」

「そうだい……そうだい。それじゃなぜいなくなったんだか知ってるかい……そうれ見ろ」

「あっちに行けっていったって、ポチはどこにも行きはしなかったわ」

「そうさ。それはそうさ……ポチだってどうしようかって考えていたんだい」

「でもにいさんだってポチをぶったことがあってよ」

「ぶちなんてしませんよだ」

「いいえ、ぶってよほんとうに」

「ぶったっていいやい……ぶったって」

ポチがぼくのおもちゃをめちゃくちゃにこわしたから、ポチがきゃんきゃんというほどぶったことがあった。……それを妹にいわれたら、なんだかそれがもとでポチがいなくなったようにもなってきた。でもぼくはそう思うのはいやだった。どうしても妹が悪いんだと思った。妹がにくらしくなった。

「ぶったってぼくはあとでかわいがってやったよ」

「私だってかわいがってよ」

妹が山の中でしくしく泣きだした。