Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
せけんし
世間師
小栗 風葉
Lee 世間師 (せけんし) de 小栗 風葉 (おぐりふうよう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.390 caracteres · 36 pantallas
この空腹で午まで通そうものなら、私は倒れて動けなくなるだろう。上さんに泣きついて、釜の底の洗落しでもいい、恵んでもらおうかとも思うが、やっぱりどうも恥しくてできない。食を乞うということはよくよく愁いものだ。
「さあ君、金盥が明いたら貸してくんな。」と言われて振返ると、いつの間にか銭占屋の兄さんが私の背後に立っていた。
例の白い金巾の兵児帯を幅広に巻着けて、手拭を肩に、歯磨粉の赤い唾をペッと吐いて、
「君はどこから来たんだね。」と聞く。
私はこれこれだと答えて、ついでに今の窮境を匂わせると、その男は頷いて、
「君はそれじゃ、今日出たってどこへ行く当もねんだろう。」
「え、まったくはそうなんです。このへんに知った者なんか一人もないんですから、どこでどうする当もちっともないんです。」
「そいつあ困ったね。」と太い眉を寄せて、私の顔を見戍っていたが、「じゃ、当分まあ私の物でも食ってたらどうだね。そのうちに何とかまた、国へ帰るような工夫でもするさ。」と言ってくれた。
地獄で仏だ。私は思わず涙を浮べて感謝した。こんな縁故で、私はそれから一月あまりもこの男の世話になって、この木賃宿で暮らした。