Clásicos japoneses con furigana
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おかのうえ
丘の上
豊島 与志雄
Lee 丘の上 (おかのうえ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.034 caracteres · 23 pantallas
溝の縁の歯朶や雑草の葉に、露とも云えないほどの湿りがあって、それが妙に光沢のない輝きを帯びていて、そこに落ちた光の線は、ただぼーっと明るいきりだった。が死人の上には、如何にも晴れやかな斑点が印せられていた。茂みを洩れてくる朝日の光が、そのまま金箔のようになって、死体のところどころにぴたりとくっついていた。頭にも顔にも胸にも、ぽつりぽつりと、拭いても取れそうにないほど、その金箔がくいこんでいた。
中学四年の頃だった。風邪の心地で二三日学校を休んでいたが、初秋のうららかな日脚に誘われて、午前十時頃、家から三丁ばかり裏手の海岸へ散歩に出た。
穏かな内海、ゆるやかな海岸線、白い砂浜、粗らな松林、それらの上に、澄みきった秋の光が降り濺いでいた。沖は平らに凪ぎながら、砂浜にさーっさっと音を立ててる波打際を、さくりさくりと歩いていった。人の姿も殆んど見えなかった。
そして五六丁行くと、遙か彼方の汀に、一かたまりの人立がしていた。松林の中から、出たりはいったりしてる者もあった。それが、広い海と長い浜辺とを背景に浮出して、夢のように静かだった。
近づいて行くに随って、物の様子がはっきりしてきた。