Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
くねんぼ
九年母
青木 正児
Lee 九年母 (くねんぼ) de 青木 正児 (あおきまさる) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2509 caracteres · 5 pantallas
ただあの皮の香気と実の味とを兼ね備えたところだけは自慢できる。ネーブルの皮は香りはあるが苦くて物にならない。柚子の皮は香味を備えているが、実は酸っぱすぎて話にならぬ。九年母はやはり香味独絶する。
子供の頃食べた郷土の味はなつかしい。下関に接近して彦島がある。今は海底トンネルの入口があったり、工場があったりして、昔の面影はないが、私の子供の頃は農村漁村が散在して、麦味噌の名産地、したがってまたその味噌漬は朝の茶漬の食膳を賑わす妙品として馬関(下関)人に愛好された。「関のお茶漬、出がけにあがれ」とは、口先ばかりのお愛想、人情の軽薄を諷刺した諺であるが、馬関の風俗は、通勤者の家庭はいざ知らず、われわれの家では朝は茶漬、昼に飯を炊くので、学校の弁当なんかも温かいのができると使いが持ってきた。それで少し贅沢なところでは、毎朝早く焼たての蒲鉾が茶漬の菜に置いて歩かれた。それはともかく、彦島から娘っ子が「イギース、イギース」と触れて売りに来た。イギスというのは海藻の一種で、それで造ったトコロテンのようなものである。これを厚く切って酢味噌で食べると、すっぱりとして、磯の香がして好ましいものであった。