Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lee 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.492 caracteres · 389 pantallas
――相川さんの細君だって、きいてごらん。きっと、その女のひとのことなんか、最後まで知っちゃいなかったに違いないんだから」
強情にだまりつづけている伸子に、ほとんど挑戦するように、
「もう私は、決して男の勝手をゆるしゃしないから!」
と力をこめて多計代がいいきったとき、伸子はからだのどこかを指環のはまった女の拳でこづかれるように感じた。
「日本の女はなにをされたって泣きねいりばっかりしているから男はほうずがありゃしない――どっちをみても幻滅さ」
多計代のそういう云いかたをきいていると、伸子は、ますます母のこころが、越智とのいきさつ以来、このごろになってからまた一つの転機をへたのを感じた。多計代は素朴に撞着した熱情のまま、その熱情の限りで、ひよわい越智をおして行った。その結果は、丁度ひとが、自分のからだの全重量をかけて廻転扉をつよくおしすぎて、外へ出るよりもはやすぎるスピードでドアがまわってしまい、また逆にもとのところへ戻ったような工合だった。多計代は自分の心の力にまけて、自分の心のこまかい組立てをしんみりと吟味するゆとりもなく、男のひよわさの裏ばかりをひとまわりしてしまった。