Clásicos japoneses con furigana
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ふたりのセルヴィヤじん
二人のセルヴィヤ人
辰野 隆
Lee 二人のセルヴィヤ人 (ふたりのセルヴィヤじん) de 辰野 隆 (たつのゆたか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6804 caracteres · 14 pantallas
それが却って吾々に非常に好い感情を抱かせた。殊に正直で、むかっ腹立ちの細君は、利害の打算などは忘れて、気に入らぬ客を、遠慮なく追い出す頼もしい癖があった。従って、商売はあまり儲かりそうにも見えなかった。
「一体、それで収支つぐなって行くのかなア。」日数が重なって、主人夫婦と心やすくなってからは、私は斯んな立入った質問も憚らずにするようになった。銭勘定の下手な細君は、いつでも「妾には全でわからない」と答える。すると傍から主人が、
「私達は元々商人ではないから、金儲けは、無論、下手だ。また、そんなに儲ける意思もない。然し損はして居ない。その証拠には、斯うやって働いて、毎日愉快に暮している。そうだろう、ねえ、私のジャンヌ。」
斯う云って、主人は細君の額に一寸接吻する。細君は細君で「ほんとに左様だ。妾のフェルナン」と答えていつも機嫌がいい。
主人は、ひどく快闊な談論家であった。彼は若い時に書いた『エポニーヌ』と題する、韻文五幕の悲劇を、青春の記念として虎の子のように秘蔵していた。彼は、よく私の肩に手をかけて、「どうです、私の『エポニーヌ』を読む勇気はないか」