Clásicos japoneses con furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lee 二百十日 (にひゃくとおか) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.466 caracteres · 60 pantallas
二人は煢々として無人の境を行く。
薄の高さは、腰を没するほどに延びて、左右から、幅、尺足らずの路を蔽うている。身を横にしても、草に触れずに進む訳には行かぬ。触れれば雨に濡れた灰がつく。圭さんも碌さんも、白地の浴衣に、白の股引に、足袋と脚絆だけを紺にして、濡れた薄をがさつかせて行く。腰から下はどぶ鼠のように染まった。腰から上といえども、降る雨に誘われて着く、よなを、一面に浴びたから、ほとんど下水へ落ち込んだと同様の始末である。
たださえ、うねり、くねっている路だから、草がなくっても、どこへどう続いているか見極めのつくものではない。草をかぶればなおさらである。地に残る馬の足跡さえ、ようやく見つけたくらいだから、あとの始末は無論天に任せて、あるいていると云わねばならぬ。
最初のうちこそ、立ち登る煙りを正面に見て進んだ路は、いつの間にやら、折れ曲って、次第に横からよなを受くるようになった。横に眺める噴火口が今度は自然に後ろの方に見えだした時、圭さんはぴたりと足を留めた。
「どうも路が違うようだね」
「うん」と碌さんは恨めしい顔をして、同じく立ち留った。
「何だか、情ない顔をしているね。