Clásicos japoneses con furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lee 二重心臓 (にじゅうしんぞう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 65.188 caracteres · 129 pantallas
この家に……」
「いや。この家じゃないがね。ツイこの裏庭の向う側なんだ。呉服橋劇場の脚本書きでね。江馬何とかいう人相の悪い男が、妹と二人で住んでいるんだ」
「アッ。江馬兆策が居るんですか。コンナ処に……」
「何だ。君は知っとるのかいあの男を……」
「探偵小説を読む奴でアイツを知らない者は居ないでしょう。相当のインテリと見えますが、非常な醜男のオッチョコチョイ、一流の激情家の腕力自慢というところから、よくゴシップに出て来ます。芝居に関係している事は初耳ですが、田舎ダネの下らない探偵小説を何とかかんとかといってアトカラアトカラ本屋へ持込むので有名ですよ。彼奴の小説を読むよりも、写真に出ている彼奴の顔を見ている方が、よっぽどグロテスクで面白い……」
「その妹の事は知らないかい」
「妹が居る事も知りません」
「その妹というのが、真実の兄弟には相違ないんだが、音楽学校出身の才媛で、兄貴とはウラハラの非常に品のいい美人なんだ。何でも、死んだ轟氏がパトロンで兄妹の学費を出してやったという話だが、その妹と轟氏との関係の方がダイブ怪しいらしい」
「ああ。もうソンナ怪しい話はやめて下さい。