Clásicos japoneses con furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lee 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 203.094 caracteres · 411 pantallas
それが何かの幽霊であるか、但しは山賊どもの妻子であるか、それらを考えている間もなしに、かの上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)は遠くからしずかに声をかけた。
「お身たちは何しに来た。」
二人は声を出すことが出来なかった。ただ黙ってそこにうずくまっていると、かれは朗かな声でかさねて言った。
「なぜに物いわぬ。ここはわたしが仮りの棲家じゃ。誰に許されてここまで来た。」
言い知れぬ恐怖に囚われて、二人はやはり石のように黙っていた。
「早う帰りゃ。長居したらそち達のためになるまいぞ。」と、かれは三たび言った。「ここでわたしの姿を見たことを必ず人に語るな。世に洩らさば命はないぞよ。」
弓や猟矢はなんの役にも立たなかった。二人はあとをも見返らないで早々にそこを逃げ出して、まだ降りしきる霰のなかを麓の里まで一と息にころげ降りて帰った。
かれらを嚇した上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)の正体はもとより何であるか判らなかった。世に洩らさば命は無いと言い聞かされたにも拘らず、年の若い雉六はそれを近所の二、三人に吹聴すると、聞いた者はみな肌を凍らせた。