Clásicos japoneses con furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Lee 何者 (なにもの) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 38.449 caracteres · 77 pantallas
ととうとう弘一君に結ばせてしまった。この男はやっぱり根が非常識なのであろうか、それとも天邪鬼という奴かしら。
やがて、主として弘一君と赤井さんの間に探偵談が始まった。両人とも今度の事件では、警察を出し抜いて非常な手柄を立てたのだから、話がはずむのも道理である。話がはずむにつれて、彼等は例によって、内外の、現実の、或は小説上の名探偵達をけなし始めた。弘一君が日頃目のかたきにしている「明智小五郎伝」の主人公が、槍玉に上ったのは申すまでもない。
「あの男なんか、まだ本当にかしこい犯人を扱った事がないのですよ。普通あり来りの犯人を捕えて得意になっているんじゃ、名探偵とは云えませんからね」弘一君はそんな風な云い方をした。
喫茶店を出てからも、両人の探偵談は仲々尽きぬ。自然私達は二組に分れ、志摩子さんと私とは、話に夢中の二人を追い越して、ずっと先を歩いていた。
志摩子さんは人なき波打際を、高らかに歌いつつ歩く。私も知っている曲は合唱した。月は幾億の銀粉と化して波頭に踊り、涼しい浜風が、袂を裾を合唱の声を、遙か彼方の松林へと吹いて通る。
「あの人達、びっくりさせてやりましょうよ」