Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しゅんかん

俊寛

菊池 寛

Lee 俊寛 (しゅんかん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.455 caracteres · 35 pantallas

Aozora Bunko

一度目覚めたときは、夜であった。彼は、自分の頭の上の大空が、大半は暗い雲に覆われて、そのわずかな切れ目から、二、三の星が瞬いているのを見た。彼は激しい渇きと、全身を砕くような疼痛を感じた。

彼は、水を飲みたいと思いながら、周囲を見回した。が、岸壁の背後は、すぐ磽な山になっているらしく、小川とか泉とかが、ありそうに思えなかった。それでも、激しい渇きは、彼を一刻もじっとしていさせなかった。彼は、寝ていた岩から、身を剥がすようにして立ち上った。立ち上るとき、身体のもろもろの関節が、音を立てて軋るように思った。彼は、それでも這うようにして、岸壁を降りることができた。彼は昼間(それは昨日であるのか一昨日であるのか分からなかったが)夢中で走った道を、二町ばかり引返した。彼は、昼間そこを走ったとき、榕樹が五、六本生えていて、その根に危く躓きそうになったのを覚えていた。彼の濁ってしまっている頭の中でも、榕樹の周囲を探せば水があるかも知れないという考えが、ぼんやり浮んでいた。

が、榕樹の生えている周囲を、海の水あかりで、二、三度探して回ってみたけれども、そこらは一面に唐竹が密生しているだけで、水らしいものは、すこしも見当らない。